奥様も最近話題のバイナリーオプションに夢中です

証券会社に勤務するP氏の夫人は、いつでも夫に尽くそうと肝に銘じている。古い家庭を理想としているわけではなく、妻として自分にできることの最善をつくすことこそ、円満な家庭の発展につながると考えているためだ。
ある日の夜、いつもより早く帰宅して家族とともに夕食をとったP氏は、どこか浮かない顔をしていた。息子達が勉強をするために自室に戻ると、グラスにワインを注ぎながら、夫人はP氏に尋ねた。
「どうしたの、あなた。ご気分が優れないみたいね」
「ああ。実は、我が社でもバイナリーオプションを取り扱うことになってね」
「あら、聞いたことがない商品ね」
「そうなんだよ。金融商品としては優秀なんだが、日本での知名度はまだ低い。国内、海外とバイナリーオプション業者は沢山あるんだがね。君のような専業主婦や若年層にもPRするにはどうすれば良いか、社内で知恵を絞っているところだ」
「ならば、私がそのバイナリーオプションをためして、主婦としてレポートを書くというのはどうかしら」
「なんだって? まあ、君ならば心配いらないと思うが、大丈夫かい」
「もちろん大丈夫よ。私だって経済学部出身で、あなたと同じ証券会社に勤務していたんだから」
自身たっぷりの夫人を見て、P氏はレポートの作成を依頼することに決めた。
翌日から、早速P夫人はバイナリーオプションの取引を開始した。見慣れたものから初めて見るものまで、さまざまな通貨ペアが画面に並んでいる。
「えーと、これを買えばいいのかしら。……あら、もう利益が出た。じゃあ、こっちはどうなの? あらあら……次はがんばりましょう」
予想以上の早さで損益が確定するバイナリーオプションに、P夫人はすっかり夢中になった。だが、いつもと同じように家事も行わなければならないし、息子達を車で迎えに行く必要もある。慌てて時計を見ると、まだ1時間しか経っていなかった。
「まあ、本当に短期間の取引が可能なのね。一見すると難しそうだったけど、バイナリーオプションって、私のような主婦にこそ向いているんじゃないかしら」
夕食の仕度をしながら、彼女は夫にその日の成果を話すことを心待ちにした。

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